2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧

引用、その21

ふとんのなかにいるまま、窓にあたっては流れるしずくに目と耳をよせる。まぶた深くにある滝をのぞいたように、銀のすじが奥まっていく。骨すじに響きがしみて、しずまる。東京は、慈雨の季節になっていた。 とおく近く、天の鳴らす無数の太鼓は、むずかしい…

おやすみ、京都

しずかな時間が たしかに流れて 匂いを 光を 熱を吸い込んで 何百年も前からそこにいる 何万もの思いが漂って 夜と 夜と 夜が過ぎ 秋と 冬と 春が過ぎ 夏がまた来る ずっと、目を瞑って ずっと、前を見据えて ずっと、笑みをたたえて 二度とこない日を、重ね…

ひとつひとつを すいこんで まるで海みたいって 笑えばいいんだろう

空の目

梅雨の一幕。てくてく歩く夜。誰かとご飯を食べたあとに。 人と人と、触れ合って、足りなくて、でも満たされていて、 夜がきて、朝がきて、笑いあって、時には笑わずに、隣にいて、 消化して、消化しきれずも、にこやかに今日は過ぎ、 消えてほしくない味も…

体に毒って

わかっていても 綺麗なものを見てしまう ぜんぶ笑顔で受けとめて ずるいね ずるいね 仮定は現実にならない 能力で測って 頭で考えて 感情を抜きにして いつだって冷静で 溺れることなんかなくて だから 心に毒ってわかっていても うつくしいなと今日も微笑む…