おやすみ、京都


しずかな時間が
たしかに流れて
匂いを
光を
熱を吸い込んで
何百年も前からそこにいる


何万もの思いが漂って
夜と
夜と
夜が過ぎ
秋と
冬と
春が過ぎ
夏がまた来る


ずっと、目を瞑って
ずっと、前を見据えて
ずっと、笑みをたたえて
二度とこない日を、重ねている
おやすみ、冷えても残る、今日の熱


おやすみ


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