ぼくたちは何だかすべて忘れてしまうね
- 作者: 岡崎京子
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2004/02/21
- メディア: 単行本
- 購入: 5人 クリック: 257回
- この商品を含むブログ (172件) を見る
さまざまなことをすっかり忘れてしまう男と、さまざまな人の顔を忘れてしまう女。
男はデートの時間を忘れ、女はデートの相手を忘れた先で二人は出会い、恋がはじまる。
二人は喧嘩をして、それは些細な日常の喧嘩で、
けれど二人は知っている、とてもとても悲しい事実を。
女は言う。
「あなたのこと大好きだけど、あなたの顔、忘れちゃってるの。そして、そのことで少しほっとしている自分に気がついたのよ。」
男は話す。
「百年後のこの場所には君もぼくももういない。ぼくたちは世界に忘れ去られているんだ。それって納得できる?」
とてもとても、寂しい事実を。