2007-09-11 引用、その19 月 日 長く考えてきたことのひとつ。 どうしたら、すくいとった水をこぼさずに一日を過ごせるか?ということ。 掌なぞに書き残したくらいでは何の役にも立たない。かならず、そこからこぼれ落ちているものがある。その、こぼれ落ちてしまったものの方にこそ何かが含まれていたのではないかということ。それも幻想だろうか? このことに、とうとう答えを出せず、ずいぶんいろいろなものをこぼしながらここまで来てしまった。 あるいは、それでいいのか?何ひとつ残らない方が? (吉田篤弘著/針がとぶ/新潮社)