会話

「自分の場所なんて、どこにでもあるのよ」
「そうとは限らないんじゃないかな」
「そうかしら。貴方が此処は自分の場所、って決めたら、その時点で、此処は貴方の場所になるわ」
「それは僕にとっての僕の場所だよね?」
「そうね、貴方にとっての貴方の場所よ」
「じゃあ、この世界にとっての僕の場所は?全体にとっての僕の場所は?僕は、客観的な、相対的な、完全なる、僕の場所を探しているんだよ」
「…それを見つけて、貴方はどうするの?」
「安心するのさ」