ダンボールボートで海岸
- 作者: 千頭ひなた
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2004/01/05
- メディア: 単行本
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丁寧に世界を述べる語り口だから、日本語がゆらりゆらりと生きている気がする。
三人の失望と三人の幸せと三人の欲望が交差して、ごちゃごちゃに浮かんでる。
けれどそれは生活という名で纏められて、一見透明に映ったりするんだ。
ハナの言う台詞がすごくすごくかっこよくて好きだ。
けれどそれはボクには伝わらない。
幸せになればいいのに、そう願うのは簡単だし、絶対に不可能なことではない。
けれどもボクはそれを選ばない。
ボクの欲望はもうどこか違うところへ向いてしまったから。
そんなボクを全否定できない自分がいるから、きっと、この本が好きなんだと思う。