本日の一冊

asps2008-01-19

夜をゆく飛行機

夜をゆく飛行機

家族のものがたり。動かない居場所を求める主人公。笑っちゃうぐらい馬鹿らしくて、泣いちゃうくらい深刻で、どこを向いていても成立している、頼もしい場所、家。その居場所が動いてしまうのは、死だったり、言葉だったり、他者の存在の出現だったり、恋だったりがきっかけになる。
恋をして、結婚して、家庭をつくって、子供が育って、それでもまだ思い出すだろう、家族。自分の育った家族。その憧れや嫌悪や安心を求めて、できては消え、できては消える家族。見ようによったらただの石ころ、見ようによったら宝石みたいだ。磨いても光らないけど。無くしたらわーわー泣き叫ぶ、宝石。