anywhere

asps2005-10-14

「私たちが感じている現実なんて仮想現実でしかないのよね。ほんとうの現実なんてあるのかしら」
「あるよ。だって、僕らが何も感受しなくとも、すでに現実は存在しているだろ」
「でも、それを現実というのなら、誰も現実をみることはできないってことにならない?感受を通した時点で、現実は仮想現実になるのよ」
「或いはね。だけどわからないよ。誰かが感じている仮想現実が、ほんとうの現実ってことがあるかもしれない」
「でもその人はそれには気づけないのよね?盲目の美人が自分の美しさに気づけないのと同じように」
「そうだね。しかも残念ながら、盲目の美人は顔を包帯で覆われているんだ。誰一人その美しさに気づけないってわけ」