空色談義

「からっと晴れた空がすきだな。入道雲が何個もあって、空の色は濃いブルーなの」
「わたしは、夕暮れの雲から差し込む眩しい光がすき」
「わたしは、青から赤への神秘的なグラデーションの夕焼けがすき」
「ぼくは、夕焼けの終わった明るい群青色の夏の空がすき」
「でも今日は、雲ひとつない、水色の空だね」
「そうだね」
「そうだね」
「・・・青い空が今はすべてさ」
「なあにそれ?」
「なんとなく」
「なんとなく、か」
「なんとなく、ねえ」
「・・・眩しいねえ」
「眩しいねえ」
「そうだねえ」
「ねえ」
目を瞑る。
空は青。