快晴江の島
江の島からは富士山が見えた。
道は賑やかで、おいしそうな匂いと、たくさんの階段と、神さまと、猫と、海を、太陽が照らしていた。
夜の江の島はひっそりとしていて、でも昼の熱気がほんのすこし残っていて、その上を猫がそろそろと歩いていた。
江の島から見る街の光は、きらきら澄んでいて、すこし切ない。
海で食べるシーフードヌードルはおいしい。星がいっぱい見える黒い海は、大きなたくさんを、宿している。
また明日、春に一歩足を進める。
かけあしで
冬と春のあいだ!
春のにおいはまだしないけど、冬のにおいもしなくなった。春の気配がする。
春がきた!と感じる瞬間の、テンションの高まりは、一年に一回のご褒美。
さいごさいご。さいごの食堂で、ご飯を食べた。
四年間はあっというま。はじめましてのもぞもぞくすぐったさを同じ場所で感じたことを、まだ思い出す。
否が応でも、取捨選択を、繰り返してまた、春がはじまる。
のち、
ごはん、のち、おはなし、のち、ごはん、のち、おはなし。
幸福な夜。
話すことで、人から人へ、影響が、ひろがっていく。
色がゆたかになる。瞬間を愛する。蓄積に微笑む。
鍋のぐつぐつする音が好き。
好きを集めて、抱きしめる。